ボートレースは3着を流すべき?!炎の三本勝負
以前、ボートレース界隈でなかなか解決しないこととしてトリガミの是非を取り上げました。
トリガミは善か悪か [フナネコラム]|舟猫の脳内書庫 - 舟猫.com
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今回は、同様に多くの人が悩んでいる「3着は流すべきかどうか」という問題に一つの答えを出すべく、検証していきましょう。
この悩みもトリガミと同じく、舟券を買う人なら誰もが一度は経験します。しかし、有効な対策はまだはっきりしていません。
そこで、あるパターンで3着流しを買い、別の買い方とどう違うのかを確かめていきます。
まずはルール設定か
まずは、検証ルールを決めます。
基準となる買い方ですが、今回は「連単1番人気の3着を総流しにする100円ベタ買い」を、ある半年の期間買い続けたと想定します。
具体的には、3連単の1番人気が1-2-3であれば「1-2-流」、4-5-6であれば「4-5-流」といった、1着と2着は1番人気に従う買い方です。
つまり、1レースに3連単4点、計400円を投じて半年間勝負します。
これを、過去の確定オッズから抽出し、レース結果と照らし合わせて対戦形式で検証します。
なお、1番人気が重複していたレースは除外としました。
下のような対戦相手と3着流しで、的中率・平均払戻額・回収率の3項目を比較し、時には統計学の力を借りながら決着をつけます。
ある半年の期間で3着流しを買い続けた集計データを下にまとめましたので、ご確認ください。
立ちはだかる強敵は──
一方、対戦相手は「3連単1番人気から4番人気までの4点を100円ベタ買いで半年間買い続けた場合」です。
つまり、3連単の上位人気4点を買い続けた場合の的中率や平均払戻額、回収率を、上のデータと比較検証していきます。
なお、オッズが重複して4点に収まらないレースは対象外としました。
勘の良い方ならお気付きかもしれませんが、上位人気順に買い目を選べば、的中率が最も高い水準になることは、グラフから明らかです。
一方、5番人気以下の買い目も含まれる3着流しは、平均払戻額の面で上位4点より高くなると推測できます。
そして、的中率と平均払戻額とのバランスの指標となる回収率は、どのような値になるのでしょうか。
これは、好勝負が期待できそうです──
1本目:果たして壁を越えられるか?
一本目は、的中率対決です。対戦相手は、下のような値になっています。
3着流しが24.4%に対し、上位人気4点では的中率30.8%と、それなりの差があるようには感じます。
では、この差をどう受け止めればよいのでしょう。
実は、統計学の手法にふたつの確率(比率)の間に差があるかどうかを判断するものがあります。
ここでは詳しくお話ししませんが、知りたい方は「母比率の差の検定」と検索してみてください。なお、必要な値はここでは「一般的なもの」とします。
この検定で確認した結果、このふたつの確率の間には差があると判断されました。
的中率では想像通り強敵でしたね。やはり、上位人気4点の壁は厚かったようです。
次に、平均払戻額を見てみましょう。
二本目:逆転のカギはここにある
一本目は上位人気4点に負けてしまいましたが、二本目の平均払戻額対決はどうなるでしょうか。早速、詳しく見ていきましょう。
上位人気4点の平均払戻額は975円となっていて、想定していたように3着流しより低い値になっています。
ただ、平均払戻額は比較が難しく、人によって評価が分かれる場面もあります。
このようなとき、上でお話した母比率の差の検定に似た統計学の手法で、ふたつの平均値の間に差があるかどうかを検証することができます。
こちらも詳しくお話しはしませんが、もしよければ「母平均の差の検定」と調べてみてください。なお、こちらも「一般的なもの」を必要な値として計算しています。
この検定で検証したところ、1,240円と975円の間には差があると判断され、平均払戻額については、上位人気4点より3着流しの方が高いことが分かりました。
やはり、5番人気以降も抑えられる点が、大きく作用したのでしょう。
二本目は3着流しの勝利。これで、勝負は最終の三本目へともつれます──
三本目:最後はトータルの実力勝負
的中率では上位人気4点が、平均払戻額では3着流しが大きい値となったこの対戦も、ここで決着が付きます。
三本目は、双方の回収率を比較し、どちらの買い方がより戦略的に有効かを見てみましょう。
ただ、ここでは統計学の力を借りることはしません。純粋に回収率が高い方を勝者とします。
なお、回収率の計算方法は以下となります。
この計算式を使えば、回収率が「的中率と平均払戻額のバランス」で決まることが見えてきます。
ここまでの戦いを振り返る
上の集計データから、3着流しの回収率は75.6%とありますが、最終決着の前に今までの対戦を少し振り返ります。
的中率では上位人気4点の方が上回っていた一方、平均払戻額は3着流しを下回っていました。
いわば、ねじれ現象が起きていますが、これが上位人気4点の回収率にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
3着流しの回収率が75.6%だったことに対して、上位人気4点の回収率は75.2%と、僅差ではありますが、3着流しの回収率が上回りました。
これは、低い的中率を平均払戻額の高さが補った結果といえるでしょう。
三本目の対戦は3着流しを勝者とし、二本を取った3着流しが総合優勝となりました。
鮮やかな逆転勝利──面白い検証をお見せすることができたのではないでしょうか。
では、ここから総括に移ります。
最後に明かす3つの秘密
──さて、ここで今回の記事には3つの隠しテーマがあったことを告白します。
まずは、それを隠して検証を進めたことをお詫びしておきます。そして、本当に私が伝えたかった3つをここでお話ししましょう。
ひとつ目は、「統計学にはいろいろな手法があるんですよ」ということ。これは本編同様、深くは言及しません。
ふたつ目は、「的中率と平均払戻額を掛け算して回収率を知る意味」です。
以下のようなケースを考えてみましょう。
もし、回収率を皆さんもよく知る「総払戻額 ÷ 総購入額」で計算したとき、何がどう悪くて目標を達成できなかったのか、どう改善すればよいのかが見えてきません。
一方、「舟猫の方程式」で計算することで、回収率を向上させる手段が見え、目指すところが明確になります。
逆に言えば、主に的中率と平均払戻額のふたつに集中すればよいのですから回収率に関する悩みもぐっと減らすことができます。
攻略のカギは身近にある
そして、最後の隠しテーマは「的中率や回収率改善のヒントはすぐ近くにあるかもしれませんよ」ということです。
ボートレースの予想をしていると、ついその精度を上げることに注力してしまいます。
ただ、追求しすぎて行き詰ってしまうことも多いことでしょう。そんなとき、ご自身の投票方法に目を向けてほしいのです。
上の3着流しの検証は、正直に話すと「皆さん全員に当てはまるものではないだろうな」と思いながら書きました。
予想法や舟券戦略は人それぞれ違うからです。
ただ、何も出走表の内容やレース結果だけがボートレースのデータではありません。
過去のご自身が積み上げてきた「過去の買い方」も立派なデータで、そこにこそ、ボートレース攻略の近道が隠されていると私は思います。
「もし3着を流していたら──」「もし今とは別のパターンで買っていたら──」など、ご自身のデータをご自身で分析してみてください。そこから改善策がきっと見えてきます。
そして、「統計学の力を借りてみよう」と思う方が一人でも増えたなら──これ以上嬉しいことはありません。